2017-08

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プレステ3はなぜ失敗したのか?

表紙

昨年11月、鳴り物入りで発売されたものの、高価格と良質なソフトの不在が響き、任天堂陣営の後塵を拝し続けているPS3。
ライバル機であるWiiとの差は開く一方で、このままでは最下位確定扱いだったX-box360にも抜かれかねないという惨状ですが、どうしてこういう状況を招いてしまったのか?というテーマを扱った本が出版されたので、遅ればせながら購読してみました。

著者は「超クソゲー」などのゲーム著書で知られる多根清史氏。ネット上では散々語りつくされているものの、メーカーとの兼ね合いで心にもない提灯記事しか載せられないゲーム専門誌ばかりの中、PS3の不振について初めて本格的に活字にした(と思われる)本です。

本書では、任天堂がファミコン用のディスクシステムを発売した1986年に、当時ソニー社内で2インチディスクの開発チームを率いていた久夛良木健氏がアプローチを試みたのが最初の始まりであった事が書かれています。
当時、すでに先進的とはいえない規格であったクイックディスクを採用した任天堂に対し、自分たちが開発している2インチディスクの優位性をアピールしたものの、これは空振りに終わりました。しかし、次に久夛良木氏が持ち込んだPCM音源がファミコンの後継機であるスーパーファミコンに採用され、任天堂&ソニーの共同開発となるはずだった「第一次プレイステーション計画」へと繋がっていきます。
余談ですが、久夛良木氏は1988年に発売されたセガのメガドライブにもアプローチをかけていたようで、久夛良木氏が開発した2インチディスクを採用した外付けタイプのディスクドライブが発売予定に上がっていました。が、これも日の目を見ないままお蔵入りになっています。

その後、任天堂とソニーは決裂して計画は白紙となり、SCEIが結成されて初代プレイステーションの発売となります。3D表現に強いスペック、CD-ROMを採用した低価格路線などが功を奏して、任天堂を追い落とす事に成功したのは記憶に新しいところです。
しかし、この本では初代PS成功の「影」にも触れており、当時は画期的に見えた「改革」が本当に効果的なものであったのか?という疑問を投げかけています。
「適正な流通」に伴う値崩れ防止策の失敗、「CDショップでゲームソフト販売」路線の失敗など、成功した初代PSにも様々なつまづきがありました。それでも任天堂やセガに勝てたのは、初代PSが「時流」に乗れたから。
そしてPS2時代になってからは、以前ここの記事でも触れましたが、初代PS時代の良さがどんどん失われていき、PS2は作り手、遊び手双方にとって「敷居の高いマシン」になってしまいました。
発売当初、SCEIが誇らしげに語っていたPS2の性能的優位性には「扱い手の熟練度が伴う」という但し書きが付き、「夢のようなスペック」には程遠い仕様であった事、久夛良木氏が自信満々にブチ上げた「プレイステーションBB」も、まともなサービスを提供することなく規格倒れに終わった事などが重なり、加えてPSXの失敗、PSPの初期不良問題とサポートの不手際など、SCEIが急速に勢いを失っていった経緯が綴られています。
そしてソニーという会社が持つ問題、出井伸之氏がCEOを務めた10年間の間に失われたものが何であったか…様々な要因が絡み合い、現在のPS3不振へと繋げられています。

この本はソニーやPS3に対しての批判を並べ立てたものではありません。
むしろ、PS3が立ち直ってくれる事を願って「ゲキを飛ばした」本だと言えます。
本の最後は「PS3よ、イキロ!」という短い章で締められており、発売後のアップデートなどで新機能が追加され、PS2ゲームやDVDソフトの画質が向上する「アップコンバート機能」などを挙げて、PS3が「お買い得なハード」になったと書かれています。

…まぁ、PS3がお買い得だとは賛同しかねるのですが、著者のPSシリーズに対する思い入れが、最後の短い章に込められているのは確かでしょう。

しかし、今月の18日にはソニーグループが所有する、PS3の心臓部である「CELL」などを製造する施設が東芝に売却されることが発表され、11月11日に発売されるPS3の低価格モデルからは、PS2ソフトとの互換性が排除されることが明らかになりました。
この本に書かれていることも、瞬く間に「過去の事」になりつつあります。
時代の流れとは、本当に早いものです。
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